『甘えることの大切さ』
そろそろ節分という日。2歳半の娘と夫がお面を作って遊んでいました。
「じょうずにお面ができたね~。もうご飯の時間だからこれでおしまいにしようね」
優しく言い聞かせる夫に、「いやだ、いやだ。だめ~」娘は駄々をこねます。
最近の娘の特技は駄々をこねること。
「ご飯のあとで遊ぼうね」私の声は娘には聞こえていないみたい。
「ねえ~、次はパパよ~」娘はわがままを言います。
しかたなく、夫はまた娘と遊び始めました。夫にたっぷりと甘え、娘はご機嫌です。
でも、せっかくのごちそうが冷えてしまうそう。
今日はいつもより手をかけて作ったから、冷めないうちに食べてもらいたい。
それに私はもうお腹ペコペコ!「もう、おしまいよ。ご飯食べよう。」
私は二人に声をかけました。それが数回続くと、私のイライラはついに爆発したのです。
「いい加減にやめなさいよ!」
その声は、夫も驚くくらいの迫力だったみたい。私は娘に対して本気で腹が立ったのです。
このままワガママな子に育ったら大変!それに子どもは親のいうことを素直に聞くべきよ。
小さいうちからきちんとしつけておいた方がこの子のためなんだから、と・・・。
しかし、夫は違いました。
「子どもなんだから、いいじゃないの」
のんびり構えています。
「ママはこわいね~」
と、どこまでも娘に優しい夫の態度もしゃくさわります。
こんな失敗ばかり・・・。
甘えることをガマンして育った私は、めいっぱい甘えている娘が羨ましかったのです。
私も娘のように甘えたかった。
「いいなあ~、いっぱい遊んでもらって。私も一緒に遊びたいな~ 。ママも仲間に入れてね」
そんなふうに、素直に言えば良かったのに・・・。言えなかった。
私は素直に甘えることができない自分に腹が立っていたのかもしれません。
ガマンすると「いい子ね」といわれるから、無理してガマンしていた子どもの頃の私。
でも、そのガマンは自分のほんとうの気持ちではなかったから、
何かのきっかけでこんなふうに爆発しちゃうのよね。
甘えたくても甘えられなかった人は、満たされなかったという気持ちを抱えたまま大人になります。
その時の寂しさや物足りなさが、時には私のように子どもを通して現れることがあるのです。
子ども時代は親に遠慮したり、ガマンしたりしないでじゅうぶん甘えることがとても大事なのですよ。